徽章

ブラックコメディが効いてる!『ミケランジェロの暗号』から見るナチス親衛隊と制服

SS親衛隊にはトーテンコップのほかにも、鷲章もつけられています。そしてSS親衛隊だけではなく、国防軍も鷲章に変更されています。1923年~1929年にかけて、親衛隊制帽のトーテンコップの上にはドイツ帝国軍やヴァイマル共和国軍と同じく円形章:別名コカルデが入っていました。1929年秋には、ナチスの鉤十字の上に羽を広げて留まる鷲をデザインした「鷲章」が取り入れられることとなり、ナチ党が政権を掌握した後に、国防軍も「鷲章」に変更となっています。

「羽を広げて留まる鷲」のデザインの起源は、古代ローマ帝国時代となっているためとても伝統的なデザインになっています。1936年に鷲章のデザインが変更されたことで、より鷲章が大型になって鷲の羽が横に広くなっています。この新しくデザインされたSS鷲章は陸軍の鷲章と似ていますが、よーく見ると若干デザインが異なっています。陸軍のは鷲の羽根の上端が一番長くなっていますが、SSの鷲章は羽根の中間部分が一番長くなっています。

襟章と肩章そしてカフタイトル

洋服の襟につける記章が襟章ですが、階級や所属そして役職などをあらわすために使われ、すぐに識別できるように通常は正面から見えるように付けられます。SSでの襟章は、親衛隊大佐以上と親衛隊中佐以下で大きく異なっています。親衛隊大佐以上は左右対称になっている柏葉で階級だけを表していて、親衛隊中佐以下は右襟の襟章で所属する師団や所管を示して、左襟の襟章では階級を示しています。

襟章の場合

右襟章に数字だけが入っている場合は、襟章の数字は一般SSの所属連隊の番号になります。右襟章が無地の場合には技術専門職もしくはSS本部や司令部の要員であることを意味しています。トーテンコプフの右襟章であれば、親衛隊髑髏部隊、トーテンコプフ師団、強制収容所所員などであることを示しています。

SSのルーン文字の右襟章の場合には、他の右襟章を付ける立場にないすべてのドイツ人・ゲルマン人隊員が付けていた襟章になっています。1940年に、親衛隊特務部隊のドイツ人・ゲルマン人師団は独自の右襟章が廃止されていたため、SSルーン文字で統一されています。それは敵に何師団かばれないようにという、防諜上の理由でSSルーン文字に統一したともいわれています。ただし、外国人義勇兵はそれぞれの師団の独自の右襟章を使い続けていました。

階級章については、親衛隊大佐以上は柏葉と星の数で示していて、親衛隊中佐以下は星と線で示しています。しかし親衛隊特務部隊(もしくは武装親衛隊)では、1938年に陸軍型の肩章を導入したため襟章での階級表示は二重表示になるので、襟章は不要ではないか?!という話も出るようになりました。廃止論も出ていたため、大戦初期には襟章の変更が繰り返されていたため、襟章の階級章が廃止したり、また復活したりといった混乱した時期がありました。

ところが結局ヒムラーは、SS独自の階級章も示す必要があるとして陸軍肩章と旧来の親衛隊襟章による二重の階級表示としました。迷彩服用の階級章も存在していました。

肩章の場合

1933年5月に肩章がSSに導入されました。黒服の肩章は右肩にしかついていませんでしたが、SS特務部隊や武装SSの野戦服、そして一般SSのグレーの制服には両肩に肩章が付いていました。

基本的にSSでは細かい階級は前述の通りの襟章で表していました。肩章は下士官兵卒、下級将校、上級将校、将官という大雑把な区別を襟章でしていました。ところが1938年3月にSS特務部隊(または武装SS)では陸軍と同じ肩章が導入されたことで、肩章でも階級を表すようになりました。一般SSは従来の肩章を使用し続けていましたが、やがて一般SSでも陸軍型の肩章を使用する者が増えてきました。

武装SSの肩章には、所属部隊が分かるような徽章も入れられていましたが、この所属部隊がわかるため徽章は1943年10月にヒムラーの決定によって廃止となっています。SS内部に置かれた情報部のSDや保安警察の所属者には警察型の肩章を使用している者も見られます。

カフタイトル

カフタイトルは袖章のことで、SSの制服の特徴のひとつでもあります。SSの制服には、左腕の袖の部分に袖章が付けられている事が多くあります。ドイツ国防軍陸軍でもエリート戦闘部隊のグロースドイッチュラント師団といった一部の部隊がカフタイトルを使用していましたが、SSでは陸軍や空軍などの部隊よりも、多くの部隊で使用されていたのが袖章です。

カフタイトルに書かれているのは、所属する師団、連隊、本部、親衛隊地区などです。たとえば一般SSの連隊所属者は、カフタイトルに所属連隊名が書かれていて、カフタイトルの縁取りの色で所属大隊、そして番号で中隊を示していました。部隊によっては、名誉部隊名がつけられている部隊もありますが、その場合には名誉部隊名のカフタイトルが優先されていました。

他部隊へ転属した場合には、必ず新しく転属した部隊のカフタイトルに変更しなければなりませんでした。ただし、新しい部隊にカフタイトルがない場合だけに限って以前の部隊のカフタイトルを使用することが許可されていました。矛盾しない組み合わせの場合には、ひとりで2つのカフタイトルを付けているケースも見られます。

親衛隊の名誉指導者などにも、独自のカフタイトルがありました。それは、「親衛隊全国指導者」(Reichsführer-SS)の略称になる「RFSS」のカフタイトルです。この「RFSS」のカフタイトルは、親衛隊全国指導者ハインリヒ・ヒムラーの幕僚であることを表しています。「Reichsführer-SS」のカフタイトルも存在していますが、これは第16SS装甲擲弾兵師団「Reichsführer-SS」の隊員ということになり、ヒムラーの幕僚のカフタイトル「RFSS」とはまったくの別物になります。

戦争中に行われたカフタイトルの授与式はやけに厳かになりました。なぜ厳かな授与式になったのかというと、カフタイトルに書かれている部隊の名前を汚すことがないようにという意味が込められるようになったからです。ただ外国人師団には、師団名を与えられていない場合があったり、また与えられていてもカフタイトルは授与されなかったケースが多くなっています。

部隊名やカフタイトルが、その部隊に与えられるためには、それに名誉部隊の名前にふさわしい戦功を立てることが期待されたためだと言われています。もしくは、ゲルマン民族至上主義という思想から、外国人部隊は本来はSS隊員としてふさわしくないという考えで、外国人師団には師団名を与えなかったり、カフタイトルの授与がなかったのかもしれません。

カフタイトルに書かれる文字は、ヒトラーの手書きの「ライプシュタンダルテ・アドルフ・ヒトラー」以外は、初めゴシック体で表記されていましたが、やがて標準ラテン字体に変更されています。

私の最良の敵 Mein bester Feind

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ナチス親衛隊の制服

親衛隊の装備品

SS親衛隊名誉指輪

親衛隊が結成させるまで

Protection Squadron 親衛隊とは・・。